沖縄メッセージ・・・心の平和と安らぎを求めて
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つるちゃん   西表なんくる島   ユイタとアオイのわった〜家   あおじゅごん
授業・キャリア教育 絵本を使って
2011年6月28日(火)〜9月21日(水) 実践
1 「夢を置く」
6月28日(火) 読み聞かせ 
                 「ケーイ」(15分)めあて
   沖縄戦の経過を知る:
   (「生きる」を選んだ事を伝える)
 絵本の内容
  生きることをあきらめなかったやんばるの子ケーイ
  は「家族に会いたい」「友だちに会いたい」
  「やんばるに帰りたい」という想いを強く持っていた。
 準備
   絵本:時系列のワークシート

授業展開
 絵本ケーイを読み聞かせる。
机間を頻繁に歩きながら行う。
途中、いかだの場面で、大人が子どもを引きずり下ろしている絵を紹介し、「押し上げているか」「引きずり下ろしているか」考えさせる。
大人でも戦争になると人が変わること、恐ろしいことをしてしまうことを考えさせる。
絵本の読み聞かせ後、ケーイがなぜ生き残れたかを考えさせる。
ケーイは「家族に会いたかったこと」「友だちに会いたかったこと」「やんばるに帰りたかったこと」を伝える。
子ども達は、自分達と同じやんばる出身である話であることや、物語の中に「家族」「友だち」というキーワードが入っているため、興味をもって静かに注目する。
次に、ケーイは沖縄戦をきっかけにして学校の先生になることを決めたことを伝える。そして、提示された時系列のワークシートに「20年後」「10年後」「1年後」「1ヶ月後」「来週」「明日」の順にケーイの生い立ちを紹介する。


提示されたケーイの生い立ちを見本に子ども達も自分の夢を書いてもらい、時系列ワークシートに記入してもらう。子ども達は、なかなか20年後の夢が書けない。しかも、「明日」「来週」「1年後」「20年後」と積み上げ式で記入している子が多く出る。内容も「小学校」「中学校」「高校」「仕事」の順に社会人へ向かう一般的な学校システム名を大きな枠組みとして積み上げた内容になっている。十分記入していなくてもよいとして終了。
その後、子ども達は、6月30日〆切りの社会教育課企画「グッジョブ運動:夢たんざく作り」に夢を書く。夢の内容に多かったのは「パテシエ」「野球選手」「海上保安庁」が多く、「介護士」「情報特区へ勤める」「農業して店をもつ」「画家か社長」という夢もあった。社会教育課の企画はちょうどよい企画になった。次回読み聞かせに繋げる。
2 夢に向かう・「助ける」
7月5日(火) 読み聞かせ 「あおじゅごん」(15分)
 めあて
  仕事について考える:
           (夢は現実になることを伝える)
 絵本の内容
  不登校になっていたユイタは、側にいてくれた
  あおじゅごんのおかげで、助ける喜びを知る。
 準備
  絵本:写真:ビデオ映像

 授業展開
まず、写真紹介。
自分たちのがんばっている姿を見ると笑顔になる。
たんざくに「パテシエ」「野球選手」「海上保安庁」「介護士」等、人を助けたり喜ばせたりする仕事が多かったことを話し、絵本を紹介する。 
不登校になった生徒の話であると伝える。じゅごんを人間に置き換えて聞くこと、本当にあったエピソードがもとになっていることを前置きし、絵本「あおじゅごん」を読み聞かせる。
1分以内の拾い読みで紹介。
助けたのは「友達」であったことを伝える。普段、友達の言葉や動きに気遣う子ども達にとって、「助ける」という言葉に興味を示す。
人を助けたり喜ばせたりする仕事を目指す子ども達に、東北地方の震災後の様子を紹介する。
自衛隊、警察官、消防等、多くの人々が助けている中で、ローソンが食べ物を提供して助けるため、再開した様子を伝える。
「助ける」という仕事を映像で見せる。次は、実際に見学しに行くことを伝える。
「裁判所」「老人福祉施設・介護」「議会」に出向くことを伝え、車中からは、街のお菓子屋さんを見ることを伝える。

仕事の中に「助ける」を考えることは、仕事をする「目的」を考え出すヒントになる。
人々に役立つことをするや人々を助けることは、社会で生きていく上で大切なキャリア思考になると考える。
しかし、実際、子ども達の中には、自分の将来の仕事に期待しながらも先生の言葉や将来への準備に納得せず不平不満を言う子がいる。
先生の言葉や将来への準備内容を吟味せず感情的になって不安を言葉にする子である。
いかに先生の紹介する言葉や将来の夢内容を吟味することが優先されるべきであることかを気付かせたい。
3 実際の夢に向かう・「現実」

平成23年7月13日(水)見学

コース
 学校〜裁判所:海上保安署:議会:老人福祉施設〜学校
 総合的な学習:キャリア教育:社会

 授業展開
バスの運転手が、地元の方になった。
運転手は「君達は幸せだな。実際に見学できて。おじさん達の時には、こんな仕事のための見学はなかったよ。」と、前列の女子に語る。
見学先の「裁判所」でも、説明する方が「もし、私が小学生の時にこんな風な仕事の勉強ができたらとてもよかったと思います。
自分の仕事の準備をちゃんとしたと思います。」と、語って下さった。
「老人福祉施設」では、興味のある女子が自分から施設職員にインタビューをしていた。

現実に向き合うことになった子ども達。
仕事を選び、決めるのは、ずっと先ではない。
将来はまだまだ先の事と思うか、今こそ仕事に向き合って準備をしようと思うかで、今の動きが変わってくると考えている。
学校にとっては、第三者的位置にある運転手の声は、響くものがあったようだ。
現実を聞き、何をすればよいかと迷うよりも、今どう動こうかと前向きになる子ども達であれと願う。
次の読み聞かせに繋げる。
4 目的と目標
朝日新聞 23年10月4日付け 「花まる先生」の取材がありました。
   9月実践授業

学習指導案

                                     平成23年9月  TT実践
1 題材名  目的と目標

絵本「西表なんくる島」を使って

2 題材の目標(本時のねらい)

・物語の結果から関係性や作者の意図を読み取る

・言葉からのイメージは、いろいろであることに気付く

・考えを伝え合うことから自分なりの目的や目標について考える(キャリア)

3 本時の指導(1 /1 時間)

(1)学ぶ意欲のてだて

・絵本を提示し、結果場面は目的だったか目標だったか考えさせる(課題)<国語辞典活用>

・絵本を使って振り返り、気付いたことを説明させる(認め合う)<英語訳活用>

・例えば「エイサー披露」「海上保安庁職員」「介護」を結果場面として挙げ、思考を促す(生かす)

(2)本時の授業仮説

・物語の振り返りと友達の意見から、目的や目標が読み取れ、結果場面を参考にして
 自分なりの行動を計画することができるであろう。

(3)本時の展開(学習形態等 □一斉 ○一人 △グループ、ペア)

 主な学習活動(主な発 問と予想される児童の 反応)

指導上の工夫や手だて(個に応じた指導、学習意欲の向上)

 学習を支える力


 ・場面の最初と最後の絵を 見て課題をみつける・・・結 果を提示
「目的は何?目標はどれ」「目的は近い?目標は遠い?」

国語辞典と絵本「ケーイ」他を見せる

・国語辞典で目的と目標を調べる
 国語辞典で違いの読み取りが難しい場 合は電子辞書を使う

・これまでの学習 を踏まえること

記憶力・活用力

 

 

 

 

 

 

 
・グループで絵本を読ませ る 4人×6

・英語訳を読める子は、英 語で読み聞かせてもよい
・各グループで、気付いた ことを紙に書く。
・物語の登場人物の関係を 再確認し、それぞれがど んな気持ちになって動い ていったかを考える。
例えば「エイサー披露」「海上保安庁職員」「介護」を結果として計画してみる


・場面ごとに読み手を変えさせ、振り返る ことの大切さを感じさせる。

・各グループごとのつぶやきも含めて書いてもらう。

・表現する言葉をうまく見つけるために 国語辞典を使ってよい。今回:お助け :先生が英語辞書アドバイス。
・「目的」がある場合、どんな「目標」をクリアしているか考えさせる。 

・前回使った時系列のワークシートを使い、結果・目的を置き、小さな目標や具体的な動きを考えさせる。多様な視点で考えさせる。「逆から・部分から等」「後からやるより今からやる等」


・相手に伝わるよ うに音読する
表現力・処理能力
(英語)

・相手の言いたい ことを理解する 言葉を生かす。
理解力・活用力


・置き換えるよさを知る(知識)
・逆思考で生かす
活用力

 

 


 ・具体的な「目標」と「〜のために」をワークシートに書く。


・自分の言葉で書いてよいこと、修正は可能であることを伝え、今の気持ちを表現させる。

・机間指導(個別支援)


・言葉を生かす

理解力・活用力 

 (4)評価(方法)

・自分なりの目標がもてたか(ワークシートや紙,観察)


最初に1分間黙想から始める。<授業前の静けさと授業イメージをつくるために毎時間行っている> 「目的」と「目標」のプレートを見せ、「何だと思う?」と問いかける。子ども達から「めざすもの」「にてる」の声が出る。<やはり、はっきりとした違いをつかめていない> 

「目的」「目標」の違いを電子辞書で調べる。電子辞書は、担任の先生に調べてもらい回答する。電子辞書では「目的:なしとげようと目指す事柄」「目標:目的を達成するめあて」となっている。<国語辞典では両者とも「めあてをもってめざすもの」と表記されている場合があるので今回は電子辞書にした> 

言葉を確認後、「目的と目標を見つけてもらいます。」と課題を与え、絵本の逆読みを行う。絵本を出した瞬間「これ読んだ」「何回も笑顔探した」と、子どもの声。<その言葉は、新鮮さが感じられないというメッセージなので、言葉に答えず、逆読みを始める> 視覚的な刺激として絵本の逆読みを使う。読み手は言葉に合わせ顔の表情を変えるので、絵本場面の変化を強く感じ、聞き手の子ども達は静かに集中する。逆読みを紹介後、絵本の始めと終わりの場面を見せ、「気づいたことはない?」と問いかける。「反対からだ」「どっちからでも笑顔がある」と発見の声。目を見開き、すごい!という顔の表情だけで褒め、次へ進む。「絵本の目的は、アガイくんのために〜でした。〜のためにという所が大事です。今度は、皆さんが読み聞かせをします。目的と目標を見つけます。〜のためにと思うことが加わるとどんなことになるか見つけてみましょう」と、課題を与え、4人グループで1ページずつ読み聞かせをさせる。

絵本の結果はうまくいったことを確認し、何が起こっているか読み取らせるようにする。絵からのメッセージもあるので、絵から気付いたことでもよいことを話し、作者がいるので作者の意図と解釈がズレてしまっても大丈夫であると話す。各グループで読み聞かせを行う。英語が読める子は英語で紹介してもよいとする。読み聞かせをしながら気づいたことを覚えておくように伝える。机間指導としては、一緒に聞く姿勢をしたり、絵本の読み方を褒めたり、英語のフレーズの面白さに共感したりする。10分間、三線のバックミュージックをかける。終わったグループから用紙を渡し、付箋紙に気づいたこと・「目的」「目標」を書いてもらい、用紙に添付させる。各グループの貼り方・書き方の統一はしない。気づいたことを書き出すことに集中させる。気づいたことの書き出しの際、机間指導を行い、付箋紙に書き出していない子へ「友達関係はどうなっていったかな?」と視点を与える。<どれからどう書けばいいか迷っていることを認め、視点を1つに絞ってあげると書き出しやすい>

 各グループから出されたものを黒板に掲示し、全員が小さな付箋紙に目が向くよう黒板の前に集合させる。移動で子ども達の声が大きい。マジックの先を見せ、ビジョントレーニングを行う。<顔を動かさず瞳だけを動かす訓練である。注意の持続が訓練される。注視ができない低学年の子には、個別指導としても効果がある> 

付箋紙には、「友達がだんだん仲良くなっていた」「笑顔がいっぱいあった」等、記入されていることを伝える。「マンタがおそっていると書かれているのもあったね」と問題を投げかける。「マンタがヘビを襲っている!」の声。「どうでしょう。マンタの絵を見て下さい。どう感じますか?」と、促す。「くっついている」「一緒に遊んでいるんじゃないの」のつぶやきが出る。つぶやきの後、「おそったらどうなるかな」と問いかける。襲っているように見えると書いた子は、「けんかになる」とネガティブ発言。「けんかになる?」と繰り返し技法で問いかけ、子どもの言葉を促すと「けんかになって殺される」とさらに具体的なネガティブ発言。<相手の言葉を繰り返すとさらに言葉が具体的になるのは、心理学でも理解されている。言葉のやりとりがネガティブに向かうことを心理ゲームという>目を閉じさせ、言葉の誤解から悪い言葉が出ることがなかったか振り返らせる。ネガティブより前向きなポジティブがうまくいくことを伝える。「では、作者が答えます。一緒に泳いで楽しんでいるのです」と話す。

さらに「目的」のプレートの側に「アガイのために〜」「アガイの足を治しに行く」のプレートを貼り、
「目標」の側に「まず、オホホ村」「次に海をのりこえる」「そしてマラリア」「さらにイノシシ」「ついにイタシキの滝に行く」のプレートを貼り、小さな目標がいくつもあったことに気付かせる。そして、アガイの足が治ったことの良い結果が起こったことを気付かせる。<なんくる:頑張ってきた過去に気づいて受け入れたとき、『なんくるないさ〜』と前向きに未来を捉えることができる…週刊ほーむぷらざ彩職賢美:新聞掲載文より>    

子ども達のたんざく(前回書かれたそれぞれの夢)にかかわる写真をいくつか紹介する。「ジャパンの野球ユニホーム」「エイサー紹介」「養護老人施設での介護」等の写真を見せる。甲子園で沖縄県が初めて春夏連覇を成し遂げたキャプテンの言葉を紹介する。「子ども達のために〜。」「いろんな体験をしてほしい〜。」とメッセージしていたことを伝える。どの写真に関係あるものでもよいのでワークシートに「目的」「目標」を書き出してもらう。各自、細かな「目標」を書く。「目的」には「読谷まで送ってくれる家族のために」と書かれ、「目標」には「まずラクビー練習」「次にラグビー西日本大会」「そして2016年オリンピックに出る」と記入した子があり、笑顔でワークシートを提出していた。終了時間がきたので目を閉じさせる。まとめとして「今は、心の中に目的と目標があっていいんです。今、書けてなくても大丈夫。これからだからね。みんなよく頑張りました。」と褒めて認めて終わる。

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