沖縄メッセージ・・・心の平和と安らぎを求めて
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絵本の使い方のご提案
次のような絵本の使い方はいかがでしょう。
  1. 絵を見せ、笑顔探し等で課題を与え、期待感を持たせる
  2. 子ども達に絵から気づくことを話してもらう
  3. 子どもの方へ近づき、話しかけるように読む
この3つの使い方の視点は、いろんな絵本で使えます。
   1.絵を見せ、笑顔探し等で課題を与え、期待感を持たせる
絵を見せ、笑顔探し等で課題を与え期待感を持たせる。例えば、西表「なんくる島」には、表紙を含め、あちこちに「笑顔」があります。視覚的な刺激があちこちにあるのに気がつかないことがよくあるのですが、『この絵には笑顔があります』と、情報を与えた瞬間、子ども達は、意識して笑顔を探し始めます。
「どこ?」「なぜ?」「何?」と、思考がめぐり始めると、けっこう絵本からのメッセージを吸収してくれます。次も笑顔があるぞと期待感をもってページを待つようになります。2歳くらいの子ども達なら笑顔の模倣も始めます。笑顔の模倣から始まるポジティブ体験は、子ども達だけでなく、読み手の大人も楽しくなります。
私は、子ども達の反応を見て、絵本の文章に触れず、笑顔探しだけで絵本を終わることもあります。それでも、子ども達には効果的な刺激に繋がっていると考えます。前向きな絵を受け入れ楽しんでくれることを続ければ、普段の生活の出来事も前向きな判断を受け入れることができるようになると考えるからです。
東北被災地で読み聞かせをしたのも、笑顔を忘れてほしくなかったからです。子ども達は、つらそうな表情をしていましたが、笑顔探しをしているうちに笑顔になりました。「西表なんくる島」にあるように仲間でチャレンジする物語を一緒に楽しんでくれたのです。
絵本「つるちゃん」や「あおじゅごん」の場合、楽しい期待感より、現実感を持たせるように情報を与えています。中表紙の文を読み『本当にあったお話です』『じゅごんを人に置き換えてみて下さい』と、情報を与えると中学生も真剣な顔で物語の行く末を聞きます。
「あおじゅごん」は、不登校になった子の話がベースなので、友達の言葉を気にかける思春期のみなさんにとって、身近な出来事として受け入れてくれます。やさしく頭をなでで、ありがとうやごめんなさいが言えるのは、子ども達の方がうまいかもしれません。大人の方が結構言えないことがありそうです。子ども達から親へ感謝することが起これば、きっと大人も優しさを取り戻してくれるでしょう。

   2.子ども達に絵から気づくことを話してもらう
子ども達に絵から気づくことを話してもらう私の絵本「あおじゅごん」「ユイタとアガイのわったぁ家〜」「つるちゃん」などには、文章にない絵が登場します。絵からのメッセージです。『さて、これは何でしょう』『何か気づきませんか?』『不思議だなと思うものは?』と、読み手が質問すると、子ども達はどんどん気づいたことをつぶやき始めます。私は、子ども達が思わずつぶやく瞬間がたまりません。高校生も周りを気にかけながら、まゆを動かす瞬間が起こります。私はその瞬間、「言ってもいいんだよ」と語りかけます。普段、言葉や友達に気遣う高校生は、視覚的な刺激に多様な解釈が起こることに気づき、多様性が許されることに安心します。思いがけない絵の意味を知るとますます文化の違いを受け入れ、個性を認めてくれます。

  3.子どもの方へ近づき、話しかけるように読む
子どもの方へ近づき、話しかけるように読む。子ども側へ歩いていくと、注意が絵本に向きます。
イメージも絵本に向けられ、絵本が共有されます。わざわざ近づいていくのは、難儀なことかもしれませんが、私は子ども達が呼んでいるような気がします。
かかわってくれる大人や友達がいれば、その子も人のためにかかわれる人に変わってくれそうです。誰かのために動くことは、けっこう体力がいります。読み手の自分を客観的に捉えると「子どもと一緒に楽しむために近づく姿」ということになるのでしょうか。注意が絵本に向き楽しむ体験は、やはり重要だと感じています。
以上、3つの使い方の視点を紹介しました。
私の絵本以外でも使えると思います。でも、私の絵本は、この3つの使い方以外にスクリーンに大きく映し出すということも考えて創られています。TPシートに絵を載せた時、OHPで映し出すものが、幻想的に重なり、動きがでるような絵になっています。ですから、1枚のページに空間があったりします。沖縄では、沖縄戦で亡くなった方々の冥福を祈る慰霊の日があります。学校では全校集会を持つ所もあります。絵本「つるちゃん」「ケーイ」は沖縄戦の実話です。「ひとりぼっち」「共感」「家族」「平和」を考えるものとして創りました。大きなスクリーンに映し出す読み聞かせに使うこともあります。



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