沖縄メッセージ・・・心の平和と安らぎを求めて | |||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
5月に入って岩手県大槌の状況をテレビで見た。今、その映像と同じ瓦礫を眼のあたりにしている。 残ったいくつかの建物の中には波で押し流されてつまっていた物や泥をかきだした跡がある。 合流を受け入れて下さった山代先生(沖縄大学)によると、赤い丸印や赤い旗は遺体発見の場所を示すとのこと。 釜石と違い、村が焼け、黒く焦げた跡が見られる。避難所は、小学校より小高い場所にある体育館。 体育館の前の駐車スペースには、救急車、通信車両、仮設トイレがあり、車は数台。 体育館に入ると吹き抜けジュウタン敷きロビーの2階隅に沖縄大学女子学生が足湯を行っていた。 お婆さんが気持ちよさそうに足湯を受け話をしている。学生の側に小学生の女の子2人。 まず、その2人に1回目の読み聞かせをする。(写真・別に記録) 絵本は笑顔探しのある「西表なんくる島」。 2人がストーリーに気を向けてくれるようであれば、文章を細かく紹介するつもりであったが、 視覚的な刺激の方が優先されているようだったので、「笑顔はど〜こだ!」の問いかけを続けた。 2人は大きく描かれた笑顔を見つけ喜んでくれた。 小さな絵の中にある笑顔や、リュックサックに描かれた笑顔発見に指さす早さが増し、2人の笑顔も続いた。 黒のラインではっきり描かれた笑顔に見入るだけでなく、 ラインのはっきりしないもやっとした絵の中にも笑顔を見つけると得意げな顔を見せてくれた。 その時、2人の頭をなで、「おりこうだね。すごいね。」と褒めてあげた。 「ユイタとアガイのわったぁ家〜」でも笑顔探しはできる。 2冊目に入ってからは、ストーリーにも耳を傾ける。 その後、風船遊びになる。2人の言葉「風船落とすから拾って」から始まる。 提案を「遊びたいのだ」というメッセージだと認めながら 「いいよ。最初は、お兄さんとNさんが拾って、次は私とAさんが拾おうね。」と交渉する。 風船遊びの後、2人は女子学生と一緒にパパイヤの漬物配りを笑顔で手伝っていた。 思わず「すごいね〜。やっぱりえらい。」と声が出た。 わずかな時間で、2人のすばらしい行動にめぐり会えたことに感動。 人のもつ優しさと強さに感動した。 食事が届く。体育館フロアに運んでいるお婆さんに声をかけ、おにぎり運びを代わる。 フロアで、お母さん方が行っている配布を手伝う。 1人おにぎり2個、ゆで卵1個、汁物1一杯。同伴の大学生Kくんは「何人分ですか」と会話。 私は「これはおかか、これはたらこ、これは梅です」と紹介。選んでもらい会話した。 「はじめまして」の会話を越え避難所の大人の方々が「おかかと梅下さい」と答えて下さる言葉に、 とても気遣いを感じ、「被災」から支援者と共通の「復興」を目標としているのだと気付かされた。 お母さん方の「来週から私達で食事を作る」というつぶやきに、やはり「復興」なのだと感じた。 ロビーを見ると幼稚園児Tくんが寝そべっている。しばらく頭をなでる。 すると女子中学生が近寄り一緒に頭をなで「どうしたん」と聞く。 私はその優しさにまた感動。「中学生えらいなあ、よく解っているね。おりこうするのはいいよね」と褒める。 「絵本取ってこようね」と2回目の読み聞かせ。 笑顔探しを行う。階段の所。玄関口。同伴大学生KくんはTくんの側にいる。女子中学生は近くにいる。 玄関口でマスクの女性が様子を見ている。 「笑顔はど〜こだ!」の問いかけにTくんの指は力強く、大きく描かれた人の顔を指さす。 「お兄ちゃん、まだあるよね」「うん」のうなずきに反応し、Tくんは少し怪訝な表情で絵本を見つめる。 私の指さしヒントに反応し、リュックサックの笑顔を見つけTくんは喜んだ顔をする。 絵本の笑顔を見つけるたびに笑顔になる。その様子をずっと中学生と玄関口の女性は見ている。 ラインのはっきりしない滝のページになり、絵本を同伴大学生Kくんに持ってもらい、Tくんの背中をさすってあげた。 少し離れた所で絵本を持っている同伴大学生Kくんの方を指さす。 するとTくんは滝の中のはっきりしない笑顔を指さし「まゆ」と言いながら喜ぶ。 Tくんは、絵本をめくり笑顔探しを続け、絵本のページを戻り笑顔になった。 私は、側にいた中学生に絵本をプレゼントした。 「女子中学生のみなさんは、しっかりしている。絵本に書いてあることを見てわかってくれると思う。」と伝えた。 なかなか瓦礫の見える外に出られない中学生にとって、自然の恵みであった海と向き合う時期がきていると感じ、 「私の親も戦争で家族を失ったんだよ。」と語りかけ、「あおじゅごん」「つるちゃん」を手渡した。 女子中学生は、手に取り絵本を読んでくれた。 男子中学生がバレーボールでバスケットを始めた。なかなかうまい! 沖縄に戻ったら絵本とやわらかいボールを送ろうと考えた。 帰りのバスの時刻。外に出てバスに向かう。 埃がまい、ジリジリする暑さを感じる。地面の熱さを感じる。 沖縄に戻って考えた事・・・震災のケアは被災地域によって多様で、物資医療面、特性が生じてくると思いました。 これからは、その特性に合わせた時期を考慮し、被災者の方々の声に耳を傾けながら、 かかわっていくことが大事ではないでしょうか。 震災や戦争という歴史を眺めると、家族を失い、地域を焼失した経験をもつ沖縄からかかわることは、 「共感」と「目標」(復興)を伝えることに繋がると感じました。 沖縄大学の皆さん、山代先生に感謝です。ありがとうございました。 |
|||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
copyright(C)2011 kinjyou akemi. All Rights Reserved. |